来日外国人おもてなし術〜食事編〜
皆さんこんにちは。
日本に増え続ける外国人観光客や、ビジネス訪問客、そして移住者。
お仕事の取引き以外のシーンでも、交換留学で訪れてくる学生、自分の留学時代の友人や、Social Media上の繋がりなどなど・・・
日本でおもてなしする機会も多くなりましたよね。
食事をご一緒する時も、どの料理のお店に連れて行こうかな〜なんて、悩むことも多いのではないでしょうか。
今回は、外国人とお食事をする際に喜ばれる可能性が高い料理を、あるある的な日本人の誤解を含めてお話ししていきたいと思います。
ちょっと待って!和食なら何でもOKと思ってないですか?
お寿司、刺身、天ぷら、すき焼き、照り焼き料理、ラーメン・・・などなどなど・・
「日本のポピュラーな料理」と言われて、すぐ思い浮かぶのは、この辺の料理ですよね。
もちろん、日本ならではのこれらの料理は、おもてなしにも最適です。
しかし、世界中の全ての人が、必ずしも、これらを食べたい!と思っているわけではないことを意識しておくことも大事です。
日本文化に慣れ親しんでいて、現地(海外)でも和食を好んでいる人にとっては、どんな料理でも和食をおすすめされたら試してみたいでしょう。
でも、ビジネスや何かのきっかけで日本文化の予備知識なく訪れる人もいれば、日本が大好きでも食事の好き嫌いがある人だっています。
相手は外国人でも日本人でも同じ。
好みも習慣もあるので、あくまで「相手の求めるもの」を考えると、おもてなしに向いてるのはこれらの料理だけではない、という選択の幅も広がります。
スシ、サシミの誤解
お寿司って美味しいですよね!
日本人も、外国人もお寿司が大好きです。基、好きな人が沢山います。
しかし、ローフィッシュ(生魚)が食べられない外国人って、想像以上に沢山いるのです。
筆者の現地の友達でも、日本で同行する友達でも、何を食べようかなあ何て話している時に「寿司はやめてね」と言う人が3人に1人くらいはいるんです。
友達なら、そう言った事情も確認できますよね。
しかし、事前にこちらでお店を予約してお寿司を用意していた場合、当日のテーブル席で初めて、相手が寿司を食べられないと知ることも、よくあることです。
お寿司をチョイスするなら、サイドメニューの豊富な店を
「とりあえずお寿司にしておけば大丈夫だろう」と、まず最初に外国人をおもてなしするのにお寿司を選ぶ人も多いと思います。
しかし、ローフィッシュが食べれない人にとっては、刺身はもちろん、生魚の握りが中心であるお寿司は、ほぼ食べれないメニューばかり。
お店の現場で相手が食べれないと言う事実が発覚したら、幹事さんも大慌てですよね。
事前に相手の好みをリサーチしておくことが出来ればベター。
但し、そうそう事前にわかるものでもないので、万が一のことを考えて、サイドメニューが豊富な店を調べておくといいと思います。
ややカジュアルな雰囲気のお寿司屋さんの方が、サイドメニューは多いです。
もちろん、相手がお寿司大好き!と言う外国人のおもてなしの場合は、カウンター寿司や、市場のお店、大将のおすすめで握ってくれる店など、本格派が喜ばれますよ!
このサイトでは「コスパの良いもの」を中心に取り上げてますので、お友達同士や、お仕事上でもカジュアルなおもてなしができる関係の際の参考にして頂けたらと思います。
回転寿司なら間違いない!
「お寿司が食べたい」とリクエストしてくれる外国人に、具体的にどんな店がいいか聞くと、必ず、回転寿司の有名なチェーン店の名前をあげてきます。
これ、本当に多いんです!
接待の場合「え?回転寿司でいいの?」(すみません!)なんて思う時もあるほど、回転寿司は大人気。
日本人男性がちょっと高嶺の花な女性を初デートに誘う時、老舗のカウンター寿司に連れていきますよね。(笑)
女性も嫌な気にはなりません。そこで回転寿司だと(初デートに回転寿司?)なんて思う人もいるわけで、老舗に連れて行かれると、嬉しいものです。
しかし、中身がほとんど外国人化している筆者としては、回転寿司ほど楽しいところはないと思ってます。
最近の回転寿司って、どこも美味しい!
サイドメニューも豊富で、お寿司以外のものも食べれるし、何より嬉しいのが、安い!
「安さ」。コレ、かなり重要です。
旅行中の若い外国人であれば、よほどお金に余裕がある人でない限り、普通の方はみんな節約してます。
宿の費用もかかりますし、国内旅行するにも移動費が結構かかります。
食費を節約した分、日本で購入したいものや、行きたい所が沢山あるんです。
友人同士のお食事ならば、珍しさよりも安さを重点に置いてお店選びをしてあげた方が、親切ですよ!
回転寿司なら、サイドメニューにジャンクなものもありますし、ラーメンやうどん、天ぷらなどの和文化独特の料理もあります。
お寿司も本格的な物だけじゃ無く、カリフォルニアロールのような外国人向けのお寿司も沢山あるので、現地(海外)で食べるお寿司に慣れ親しんでる外国人にとっても、ウレシイ限りです。
回転寿司やカジュアルな寿司レストランに限らず、サイドメニューが多いお店も沢山あると思うので、お寿司に関しては、本人の希望をある程度聞いてからお店を決めて向かった方が無難です。
海苔が苦手な人も実は存在する
ロンドンで寿司職人をやっている知人から聞いた話しですが、カリフォルニアロールに代表される、海苔が「内巻き」である事には、理由があるんだそうです。
実は、海苔が苦手な人っているのだとか!
その理由は、味では無く、あの真っ黒な見た目。
ぐるりとライスの周りを巻く、真っ黒な海苔に、グロテスク・・・なんて思う人が、ごく稀にいるみたいなんです。
現代でこそ、お寿司やおにぎり等が世界的にもブームになっていて、その見た目にも馴染みがあると思うので、海苔が苦手という人もなかなかお目にかかれないとは思いますが、ひと頃では、「何!?」なんて思う人が多かったみたいですよ。
洋風なお寿司は日本人にとっては邪道!と言う人もいますし、せっかく日本に来たなら、「日本らしいお寿司を食べてよ!」なんて思いますが、それは単なる押し付けでしかありません。
相手が喜ぶものを食べてもらうのが一番よし!
洋風なお寿司が一番だと思ってる方には、心置きなく、日本で食べれる洋風なお寿司を堪能して頂きましょう。洋風寿司でも、確実に海外とは違う味だと思いますよ。
活け造りには気をつけて
いくら、握りが大好き、刺身が大好きな外国人相手でも、刺身の活け造りには注意が必要です。
日本人としては、新鮮なお魚をその場でさばいた、ピチピチ新鮮な(笑)刺身を味わって欲しいですよね。
また、そのパフォーマンスも喜ぶのではないかと思いがちです。
実際のところは「引く」人の方が多いので、相手がよほどの日本文化マニアでない限り、控えた方が無難です。
予め、和食の予備知識を持って訪れている人であれば、喜ばれると思いますよ!
外国人はワクワクが大好き
こんなことを言っては身も蓋もありませんが、正直なところ、味はどうでもいいんです。(笑)
彼らが求めているのは「日本でしか経験できないワクワク感」。
味よりも、何か面白いものの方がウケる時もあります。
例えば、回転寿司で列車に乗って寿司が到着する店とか、ありますよね。あれはワクワクします。
タッチパネル式のところもほとんどですし、タッチパネルのメニューなんて、海外で普及しているものではないので、日本独特です。ワクワクします。
さらに言えば、メニューに写真がずらりと並んでいるだけで、喜ぶんですよ。
お寿司も、味重視より、写真のメニューを置いてあるようなところの方が、分かり易いし、見るだけで楽しいのです。まだまだ英語メニューを置いている店も少ないですからね。
日本でしか味わえない料理を食べたいと思っているのは、日本文化に詳しい人や、グルメ旅行の人、料理人関係など。
普通の旅行客は、和食の味が、海外で食べるのと日本で食べるのに対し、どこがどう違うのかわからない人もいれば、現地の人の好みに合わせて若干変化をもたらしてる海外の和食の方が、舌に合うと言う人もいるほど。
そして何より、日本人が海外旅行をした時に「やっぱり和食が一番だねえ!」なんて思うように、外国の方々も、母国の料理が一番だと思っており、旅行中に母国の味を恋しく思っている人もいるのです。
和食って確かに美味しいですし、世界的に人気もあります。
でも、「和食が一番でしょ!」と相手に勧めること、これも「あるある」な間違いです。
NGワード「日本の料理が一番でしょ!」
日本人にとっては和食が一番!
世界のグルメな人たちにとっても、日本の料理は美味しいと評判です。
しかし、筆者でも少し違和感を感じるのが、日本が「世界一」だと思っている人がすごく多いこと。
日本人にとって日本は世界一です。もちろんです!
しかし、他の国からやってきた外国人が聞くと、どう思うでしょう?
彼らは我々と同じように、皆が母国が一番だと思っているのです。
稀にそうでもない人がいるかもしれませんが・・・稀ですよね。(笑)
ハワイが大好きな日本人でも、日本の文化や日本の料理とは縁を切ることができません。ハワイも大好きだし、ロコモコが大好物だけど、やっぱり和食が美味しいよね!そう思うはず。
外国人と一緒に日本に同行して思ったのが、日本側の方が、外国人訪問客に対し、無意識的に「日本って美味しいでしょう!?」なんて会話を入れていること。
意外と気づかないのですが「日本に来れて美味しいもの食べれてよかったね!」「どう、日本は美味しいでしょう?」と言うのは、結構上から目線です。(笑)
その声に不満を抱いた意見も実際に聞きます。
もちろん、彼らも和食を美味しいとは思っています。
ですから、次回からはこう言いましょう。
「和食、美味しいでしょう!?」
「・・・でも、僕は、君の国の料理が一番好きなんだけどね。(テヘペロ)」
この後、間違いなく「いやいや、和食が一番美味しいよ!」と、外国人から返ってきます。(笑)
自国をおすすめした後は、相手の国のことも必ず褒めるといいですよ!
食事を共にすると言うのは、距離が近く最適な方法。そこで褒め合うことで、より良好な関係が築けます。
自国が食文化世界一だと思っている、イタリア人の意見含め、日本に訪れた際の彼らへの対処法を以下の記事でまとめてますので、ご興味あればお越しください。(笑)
座敷ルームの誤解
畳であれば喜ぶだろうと思っている日本人も多いです。
そのせいか、「ザ・和室」と言う個室レストランが用意されていることが結構あります。
確かに、喜ばれるのですが・・・・
外国人にとって、人前で靴を脱ぐと言うのは恥ずかしいものであり(国によっては、人前で靴を脱ぐのは品のない行為とみられることも)、また、正座もあぐらもかけない彼らにとって、苦痛でしかありません。
ほとんどの方が、長い足を机の下に真っ直ぐにくぐらせて、数時間耐えながら頑張っています。(笑)
座敷ルームに関連する鍋料理の注意点は、以下の記事からどうぞ。
まとめ
今回は、来日外国人を食事でおもてなしする際の、お寿司についてのあるある的な誤解を含めて、外国人視点での喜ぶポイントをお話しさせて頂きました。
その他の料理についても、また別途ご紹介して行きたいと思います。
最後までお読み頂き有難うございます。