ビックポトフ!?外国人に鍋料理のおもてなしをする前に知っておきたいコト

来日外国人おもてなし術〜食事編〜

 

こんにちは。

異文化交流をモットーとしているワタクシ、こちらでは来日外国人へのおもてなし、特に「食文化」についての、ちょっと誤解されがちな料理選択に関して、注意ポイントをご紹介させて頂いてます。

 

当ブログでは、海外在住の友人関係や、来日同行の際の外国人たちとの経験や意見などから、筆者が個人的に注意しているポイントをご紹介しています。

全ての方の好き嫌いが一致するわけではありませんので、ご了承ください。

新人ちゃん
よろしくお願いします!

 

鍋のおもてなしには要注意

 

鍋って美味しいですよね。

日本人なら、冬にあったか〜い鍋を突く感覚、体も心も温まる美味しい鍋料理はたまりません!

そして、寄せ鍋や湯豆腐などの庶民的な鍋料理から、すき焼きやしゃぶしゃぶ等のちょっぴり贅沢な鍋まで、様々。

 

筆者の思い出としては、渡英当初、貧乏だったので複数人の友達とフラットシェアをしていました。

そんな時、その中の一人の日本人女子留学生の家族が日本から遊びにくることに。

お父さん、お母さん、そしてなんと、お爺ちゃんお婆ちゃんまで渡航してきたのです!

 

世話焼き癖のあった筆者は、「それならば、1日くらいはフラットの皆で、彼女の家族を日本食でおもてなししたい!」と張り切って、いろんな日本食材を探しに買い出しへ。

そこで選んだのが、鍋料理でした。

すっごく喜んでくれましたよ!

タイムリーに、ご家族は「ポン酢」と「ごまだれ」をお土産に持ってきてくれてたんですよ。(笑)

ポン酢が高かったので(笑)、醤油とお酢で作ってたので、もう、バッチリのタイミングでした。

 

鍋を囲み、イギリスの土地で大勢の日本人と、日本語で語らう団欒、いい思い出です。

実は、鍋を海外で作ろうとなると、食材も高価だし、まず、食材を見つけるだけでも大変なんですよ。

だけど、間違いなかったですね!

 

鍋は、日本では日常的にパパッと夕食の支度をしたい時にも、節約したい時にも最適。

そして、特別な御馳走の日や、来客へのおもてなしにも使える鍋料理は、まさにニッポンの万能な食事メニューと言えます。

 

そんな鍋料理ですが・・・

外国人は、ちょっぴり苦手な人も多いのです。

 

箸でツンツンが気になる!

 

もちろん、鍋料理の味が嫌いなわけではありません。

鍋料理の、ひとつの鍋を箸で突くと言う行為に抵抗があるのです。

専用の菜箸があったとしても、微妙なのです。

いくら美味しくても、造形がごちゃごちゃしてしまってたり、大皿でドーン!と、「どうだ!」みたいな感じのものは、そのルックスで躊躇しかねません。

友人は、その(鍋の)姿を見た時「ビックポトフ?!」と一言。

 

まさかこれ、一人で食べるの?と言う疑問が、すぐさま「まさかこれ、みんなでつつくのー!!?」に早変わり。(笑)

 

よほど日本文化が好きで、全てを堪能したいと思っている人以外には、避けた方がベターです。

「おひとり様鍋」であれば、逆に面白がられるので良いかもしれませんよね。

旅館の食事に出てくるような、一人用の鍋。それならおすすめします。

 

しゃぶしゃぶもちょっと要注意

 

箸でしゃぶしゃぶ・・も気になりますが、菜箸あれば何とか我慢してもらえそう。

ヘルシーだし、美味しいし・・・なんて思いますが、ちょっとだけ要注意です。

 

宗教上の関係で、豚が食べれない人は沢山います。

どうしても、と言う場合は、牛しゃぶにしましょう。でも、牛に抵抗ある人もたまにいますので、OKかどうかは要確認ですね。

 

流し歴長しの長老
イギリスでは、いろんな意味で「鶏」を選べば間違いないと言われています。

 

ちなみに、鯛しゃぶや、海鮮類を使ったしゃぶしゃぶは、見た目がグロテスクに感じる人もいるかもしれないので、こちらも要確認です。

個人的な意見(というか友人の意見としては)、しゃぶしゃぶでは物足りないという声もあります。

味が濃いものが好きな人、多いですからね・・・

 

すき焼きは、マニアかチャレンジャー向け

 

外国人にとって、最も驚異である鍋料理が、すき焼きです。

日本の名曲で、世界一有名な曲も、このタイトルですよね。

日本の古くから親しまれているポピュラーな料理としても、いろんな意味で興味をそそるのがすき焼きでもあるのですが・・

 

チャレンジャーの要素としては、生卵。

海外で生卵を食する習慣はありません。

日本では消毒面で生でも安心かもしれませんが、海外では、殺菌という意味でも火を通すことが普通とされています。

 

流し歴長しの長老
サルモネラ菌は、殻についてると言われているので、調理前は必ず卵を洗ってから割って、卵の中身にも調理でしっかり火を通すんです。

 

筆者もいまだに生卵を食べている外国人を目にしたことがありませんので・・・
すき焼きを、ちゃんと生卵で食べる方がいるとしたら、よほど和食が好きで食べてみたかった方か、よほどのチャレンジャーです。

 

新人ちゃん
海外在住の日本人が、一番恋しく思う和食は、実は「卵かけご飯」なんです♪
流し歴長しの長老
海外には日本の調味料も豊富。みりんや和風だしがあれば、和風の味付けで料理ができるし、納豆も冷凍食品として買えるし、味噌も今や何処でも手に入るので、意外にも和食そのものはどこでも食べられるんですよね。でも、生卵だけはねえ・・・どうにもならない。汗

 

しかし、すき焼きのお肉の甘い味付けがたまらん!という方も多いので、実はすき焼きファンが多いのも確か。生卵を添えずにすき焼きを食べればいいだけかもしれません。
でも、個人的には、生卵を添えないならば、もはやそれはすき焼きではないような気がします。

やっぱり壁となる、座敷ルーム

 

鍋料理を食べるときに、ほぼ付き物であると言っても過言ではない「畳」の部屋。

レストランでも、畳の個室が用意されているお店が多いですよね。

そのため、「鍋に畳の個室!?おもてなしにぴったりじゃん!」と思って、ついつい「畳個室&鍋コース」のフル日本文化三昧の予約をしちゃったりするんですが・・・

 

あぐらもかけず、正座もできない外国人にはこれは実は過酷なこと。

畳の部屋で食事をするのは、我々日本人と違ってとっても落ち着かないのです。

 

見たこともある方もいるかもしれませんが、外国人の彼らが畳ルームに直に座るとき、長い足をまっすぐに伸ばして座ってる人が多くありませんか?

 

私たちも、ちょっと試してみましょう。

畳の間で足を伸ばして座り、ご飯を食べてみましょう。

 

・・・どうでしょうか?

結構疲れますよね。

しかも、隣や対面に誰かがいれば、さらに足のやり場がありません。

 

 

また「人前で靴を脱ぐ」という行為にも彼らは抵抗があります。

お国によっては、人前で靴を脱ぐのは下品な行為であったり、足の裏を見せるというのは恥ずかしい行為と思う方も多いのです。

 

どうしても畳の雰囲気を味合わせたいと思う場合は、掘りごたつであれば、概ねOKといったところでしょうか。

靴は脱がなければなりませんけど、そこは妥協していただきましょう。

 

結論から言えば、テーブル席が無難です。

体の大きな方の場合は、ゆったりとしたテーブル席でリラックスできるところが良いと思います。

個人的には、流行りの昭和風な横丁的なせりこしている店や、パイプ椅子などが置いてあるところよりも、ゆったりの方が喜ばれると思いますね。

 

ただ、思いっきり日本の横丁的な雰囲気を楽しんだり、畳で食事をしてみたいという方や「ザ・和室」な雰囲気に大喜びする人だっています。

皆が皆ではなく、それはごく少数の本当にマニアな人たちだけです。どれだけ日本愛に溢れている人でも、食事中はリラックスして気持ちよく食べたいはずでしょう?

お相手の日本マニアック度に合わせてチョイスするのがベターです。

 

鍋物や畳の個室などは、主観で予約してしまう前に情報収集必須です。

 

それでも日本の鍋文化を見せたいなら?

 

日本の「土鍋」って、なかなかクールですから、その見た目や素材感に興味を持つ外国人は多いです。

とにかく「器」に興味を持つ人は結構多いです。

日本人としても、その文化を見せたいところでもありますよね。

 

みんなで箸で突く「大きな鍋」を囲んでの食事は、なかなかリスキーな選択かもしれませんが、サプライズで鍋の雰囲気を味わって欲しいなら、外れが少ないのが、こちらです。

 

見た目だけで喜ぶ、鍋焼きうどん

 

「うどん」に関しては、実は好みも出てきます。

「かつおだし」が苦手な外国人もいるんですよ。つまり、魚の風味がするスープに抵抗があるということです。

 

また、ラーメンやパスタ類と違った、太くて白くて、コシがあったり、ふにゃふにゃしてたり・・そんなうどんを「何ヤツ!?」と思う外国人もいるんです。(笑)

うどんが苦手な友人に言わせると「はっきりしない感覚」とのこと。

 

今や、うどんも世界的に人気のヌードルとなりましたが、それでも、ラーメンよりは、好き嫌いがあるということは、頭にちょっとだけ入れておいてください。

そんな、好き嫌いが分かれるかもしれないうどん。それでも、鍋焼きうどんだけは、なぜか人気です。(笑)

 

「鍋焼きうどん」は、うどんの味がどうこうというよりも、まず、見た目で喜ばれる要素満載なんですよ。

土鍋の中に、たっぷり入った野菜。そしてエッグ。

外国人は野菜が好きな人が結構多いんです。

 

鍋焼きうどんの鍋が出てきた時点で「なにこれ?」ってびっくり。

蓋を開けると、具がたっぷり。

中の具は明らかに野菜やマッシュルーム(椎茸)だと認識できるわかりやすいものばかり。

鍋焼きうどんは、見た目も中身も魅力的なんです。

 

「本当は、鍋料理っていうのがあって、もっと大きな鍋で大勢で食べる料理もあるんだけど、鍋焼きうどんも可愛いでしょ?!」

・・というふうに、会話のネタにしましょう。

 

気に入ってくれたなら、「次は鍋が食べたい!」とリクエストしてくるかもしれません。

 

蒸し焼き料理や、炊き込みご飯なども

 

土鍋を使った料理をあえて選んでみるのもいいかもしれません。

居酒屋に行くと、結構ありそうですよね。

 

この際中身はどうでもいい!アサリ蒸しのようなものや、釜で出てくるような炊き込みご飯など、見た目にインパクトのあるものを選ぶと面白いと思います。

炊き込みご飯に関しては、「米が苦手」という人もたまにいるので、こちらは注文前に要確認です。

 

和食じゃないけど人気の高い鍋

 

和食の話しではなくなってきますが、外国人に人気の鍋も存在します。

 

これは、世界各国で食べれる鍋なので、無理に日本で食べる必要もないのですが、一応以下にご紹介します。

 

寒い日にあったかいものを食べたいなら、こ〜んな鍋をあえて日本でチョイスするのもアリかもしれません。

 

火鍋で、あえて日本の四川料理を堪能!

 

四川料理店のメニューにある、火鍋。

真っ赤な辛いスープと、パイタンスープ、二つに仕切られた鍋は、見た目的にも面白いですよね。

 

流し歴長しの長老
「面白い」は重要なポイントです。

 

日本の鍋を突くのは抵抗あるのに、火鍋を注文している人はロンドンでよく見かけます。違いがよくわからないけど、火鍋に抵抗を持つ人は少ないようですね。(笑)

海外に置いているメニューなので「知ってる」からこその抵抗のなさなのかもしれませんし、火鍋に仕切りが入ってて見た目が若干、日本の鍋よりもスッキリしてるので気にならないのかも?

 

また、外国人は辛いものが好きな人が多いです。

ラーメンひとつとっても、海外で断然人気の高いスープは、坦々麺や、スパイシーミソなどの、辛さのプラスがあるスープ。

 

ロンドンでも、仲間数人が集まって好き嫌いが分かれたり、味や値段の両方で無難な食事をしたい時は、「迷った時は中華に行け」というほど、中華料理は人気です。

野菜だけの炒め物メニューも多いため、ベジタリアンにも優しいのです。

 

世界のいろんな街に中華街って存在しますよね!困った時は中華街でディナー、そんな感じです。

辛さたっぷり、ハフハフと火鍋を囲んでください。

 

海外にも存在するメニューなので、物珍しさはありません。

しかし「中華を嫌いな人が少ない」という意味では、良いチョイスの一つです。

 

新人ちゃん
絶対に日本で食べておくべきものでもないけど・・・食事は個人の好みだからね!

チーズ・フォンデュは鍋料理?

 

もはや脱線状態。(笑)

 

そう言えば、チーズ・フォンデュって鍋だよなあ、ってふと思いました。

 

スイス料理のチーズ・フォンデュ。
イギリス人もあったまりたい時は、チーズ・フォンデュの専門店を予約してディナーに出かけます。

 

チーズ・フォンデュも、ブレッドだけじゃなく、野菜がたっぷり添えられてますので、それも人気の秘密です。
ちなみに、ブレッド等を鍋に入れて、チーズを絡めて頂きますよね。
箸でツンツンと同じ?と思いません?
何が違うんだろうと思うけど、やっぱり、チーズフォンデュの場合は具材が常にチーズ鍋に入ってるわけじゃないからかな。
やはり、和鍋の独特の、中が(具が)盛りだくさんでごちゃごちゃしている状態が、視覚的に気になるのかもしれません。
あと、チーズフォンデュは串焼きと同じく二度漬け禁止のような、暗黙のルールがあるので、大丈夫なのかもしれないです。

 

日本にもありますかね?フォンデュのレストラン。
外国人はフォンデュ好きな人多いので、おすすめです。

 

流し歴長しの長老
もう既に「鍋」トピックからズレてるし!笑

まとめ

 

今回は、鍋料理のあるある認識違いについて、ご紹介させて頂きました。

 

鍋料理に興味がある外国人も沢山いますので、そういった方には遠慮なく、鍋攻めしてください!

 

ただし、サプライズで準備する時には注意が必要です。周囲に鍋に興味がありそうか抵抗なさそうかどうか探りを入れるか。はっきり言ってしまえば避けた方が間違いないです。

 

事前のリサーチをしてから、おもてなしの準備をしましょう。

 

最後までお読み頂きありがとうございます。

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