一匹狼なバスカーたちの側面②バスカー同士の粋な助け合い精神

バスカー同士の粋な助け合い精神

 

こんにちは。

 

前回、孤独に戦いながらもミュージシャンシップが溢れるバスカーたちについて、少し語らせて頂きました。

 

一匹狼なバスカーたちの側面①ミュージシャンシップ溢れる孤独な戦士たち

 

今回は、上記リンクのお話しの続きです。

 

バスカーたちのミュージシャンシップについて、実際はどんなことをして互いを支え合っているのか、続けてお話ししていきたいと思います。

 

 

バスカーは複数人でつるむ事ない一匹狼

 

たった1人でバスキングを行っているバスカーたち。

 

演奏する姿はひとり。見る限りに同僚らしき人が周囲に居ることはありませんが、やはり、バスキングをやっているもの同士仲間であり、そして同じ地域であれば、当然お互いの顔も知っています。

自然に、バスカーのコミュニティーや輪が出来上がってるんですよね。

 

では、バスカー同士のミュージシャンシップって、どんな感じなのでしょう?

 

「他のバスカーの何を助けるのか?」

「どんなフレンドシップを保つのか?」

 

悩み相談に乗ってあげるわけでも、飲み会を開くわけでもありません。(笑)

 

バスキングはしんどいですから、バスカー同士で「今夜飲みに行こうぜ!」なんていうのはありません。

「最近バスキングどう?」なんて、連絡し合うわけでもありません。

 

基本は、みんな一匹狼。それに加えて、前述の通りにしんどい(笑)、つまり激しい肉体労働ですので、ひとりでババーッ!とピッチに向かって、演奏を追えたら、ささーっ!と帰って、翌日に備えたいわけです。

 

それに、夜の時間帯というのは結構ナイスなバスキングタイムでして。

 

人々が仕事を終えてハッピーなアドレナリンが放出されている時間帯なので、演奏を聞く余裕が出てきたり、ノリがよかったり、一緒に踊ったり、財布の紐が緩かったりします。(笑)

これが午前中だと、全然逆なんですよね。

 

また、夜の酔っ払いの通行人は、バスキングが慣れてない人にとっては脅威かもしれませんが、我々にとっては一番のウェルカムなピープルです。

酔っ払いの中でも、タチの悪い人は寄せ付けず、あしらいつつ。からかってくる程度の人や、陽気な人は取り込むのです。これが何より面白いし、儲かります。(*安易に真似しないでくださいね!)

 

そんな時間を、バスカー同士の交流を目的に遊ぶために使うだなんて・・・とんでもない。勿体ない!

 

・・・というわけで夜の時間帯は、プライベートな予定(家族や恋人など)を除き、バスキング優先、というバスカーがほとんどです。

 

仲間で集まってどうこうするわけでない、茶飲み話しや愚痴をするわけでもない、そんなバスカー達の実際のミュージシャンシップとは?

以下のようなシンプルな事なんです。

 

ピッチの情報交換、譲り合い

 

バスカー同士は、表舞台ではライバルです。

いや、大袈裟かな・・・

基、表舞台では割と皆ドライです。(笑)

 

お互いを一向に気にしませんし、互いに構うこともしません。

しかしながら、最初の一歩(場所確保)は、猛烈に我先にと確保に向かいますし、一瞬たりともバスキングの時間をブロックされたくありません。

 

我々にとっては時間は命なので(1分でも多く演奏することが1枚のコインに繋がるため)、どこかのピッチで遭遇しても「いやあ、久しぶり!最近どうなの!?」なんて、和気藹々と会話などしません。

 

ですので、一見、親切そうなバスカーはいません。(笑)

 

初めてバスカー業界(そんな世界あるのかな~。汗)に足を踏み入れた人は、その、フレンドリーじゃない殺伐とした雰囲気に躊躇するかもしれません。

不親切だなあ!くらいに思うかもしれませんよ。

 

でも、実はそうではないんですよね・・・

 

互いのリスペクトやミュージシャンシップ、そして「お互いにひとりで戦う者」としての、ファミリーシップ。

これらがとっても強いんです。

 

顔や行動に出さないだけで。(笑)

 

で、実際のヘルプは何かというと『情報交換』。これに限ります。

 

バスキングのピッチとして、良い場所、悪い場所などの情報交換や、「今、何処どこのピッチが空いてたよ」なんていう、Available情報などのさりげないアドバイス。

 

加えて、ピッチの譲り合い。

「僕、これから買い物あるから、この場所で演奏する?」

「〇〇で演奏しようと思ってたんだけど、急な予定が入ったから、僕のピッチあげようか?」

など。

 

自分が演奏していたり、演奏する予定だった場所が不要となったり、状況によって誰か別のバスカーに与えたくなった場合、それらの提供はお互いに惜しみなく行います。

 

また、生活に困ってるバスカーが「誰かピッチ頂戴!」なんて嘆いていたら、それぞれが自分の持ち場を遠慮なく差し出します。

 

我先にと奪い合うピッチですが、状況が変わったり誰かが困っている場合はそちら優先。独り占めは絶対にしないと言うことです。

 

チップの話し(売り上げ金の詳細)は禁句!

 

但し、「自分の稼ぎがいくらだったか」というような情報交換はしません。

 

それは、大変失礼な話題、下世話な話しとなります。

お金の話しは、どこでも同じですよね。

 

「いくら稼いだの?」なんて聞かれると、なんだか下品な相手に思えてしまうし、それはバスカーだって同じなのです。

 

以下リンクの記事にて、詳しく説明させて頂いています。

バスカー同士のマナー。チップの金額を伝え合う事は下品な話題なんです

 

 

バスカー(同朋)を見かけたらチップを渡すのが最大のリスペクト!

 

バスカー同士のミュージシャンシップ精神、助け合いは、情報提供や場所の譲り合いが中心ですが、それ以外にも粋なミュージシャンシップがあります。

 

それは、バスカーを見かけたら、チップ入れにチップを落とす事。

 

仲間ですからね。

少しでも仲間の売り上げの足しになれば嬉しいじゃないですか。

 

ちなみに私はホームレスの方からチップを頂いた事があります・・

それって、どう捉えて良いのか・・・(汗)

満面の笑みで「今日の分は稼げたかい!?足しにしなよ!」と。

 

ここで言いたかったのは、それぐらいストリートの仲間意識は強いんです、という事・・に、なるのかな。(汗)縄張り争いというのがあるわけですから、つまりはバスカーのホームグラウンドがストリート。

畑?は違えど、上記の方々もある意味ホームグラウンドなのでしょうか・・

 

さておき、そんな事もあるくらいですから(笑)、バスカー同士は、仲間のバスキングの現場を見て素通りはしません。

それが知り合いのバスカーでも、そうでなくても同じです。

 

知り合いであれば「やあ!」のような、アクションをしながらチップを落とし、手を振り、速やかに退散。

知り合いでなければ、チップを落とし、「Good job!」のような、ポジティブなリアクションをして退散。

 

チップを落とし、その際にポジティブで好意的なアクションを見せ、そして速やかに去るというこの行動が、演奏しているバスカーにとっては一番に助けられる行為であると共に、嬉しい事なのです。

 

また、ポジティブなアクションを送ることで、バスカーのモチベーションを上げるお手伝いができます。

 

バスキングは孤独な作業。

演奏開始の頃はチップ額が少なくてちょっぴり苦しい感じで演奏し、演奏途中経過は孤独感や通行人からのジャッジなどに苛まれ、演奏終了間近の頃は、体力的にちょっぴりダウン気味。

 

どのポイントでポジティブなアクションを送っても、彼らのマインドを持ち上げてあげることができます。

 

なので、バスカーを見かけたらぜひ、親指立てて「Good luck!」のアクションをしてあげてください!

 

万国共通のバスカー同士の敬意の示し方!

 

この行動はイギリスに限らず、イタリアでもバスカー仲間に「チップ&敬礼」を致します。

他の国でも多分同じだと思うんです、バスカー仲間への敬意の示し方って。

 

カナダに音楽仲間がいるんですが、彼が「実は僕もバスキングもやってる」という事実を後から知り、バスキング経験者同士とわかってから、さらに友情の絆が強くなりました。

バスカー同士にしか分からない話しとか、苦労もありますから、通じ合えますよ。

その友人も「僕、どの国でもバスカー見かけたら絶対素通りできない!」って言ってて、「そうだよねー!」と、話しが盛り上がりました。

 

ぜひ、日本のバスカーの皆様も、やってみてください。

日本はチップの文化があまりないので、チップ出す人少ないじゃないですか?だから、当然、自分自身も出すことって無いと思うんですよ。

私も同じで、海外出るまでは、チップなんて10円すら出した事なかったです。(笑)

 

でも、嬉しいもんですよー、10円でも100円でも。声援と一緒にコインを入れる。演奏してる側にとっては、声援だけより断然モチベーション上がりますから。本当に。

「お金は失礼だよね」なんて、うそうそ。

日本人に多い台詞ですけど、(時と場合によるけども)それって「綺麗事」ではなくて、「お金を出したくないための上手い言い訳」です。対価をもらって嬉しくない人はいないわけだから。「お金はアナタに失礼だからやめておく」と言う台詞を言うことが失礼です。

 

ライブでCD1枚でも売れたら嬉しいし、チケット1枚でも売れたら嬉しいじゃないですか。

「応援しているからこそ、CDを買うのはアナタに失礼だから」と、わざわざ言う人はいませんよね。CDを買う手持ちのお金がない、またはCDを買わないと思ったから、買わないだけ。あえてそんな言い訳する人はどこにもいません。

 

ライブや舞台を行うアーティストを応援するためにチケットを買うのと同じように、バスキングの対価はチップです。(以前にブログで書いた事のある「記念バスキング」は別です。その場合は「もらわないように心がける」と言う事です。)

バスカーへの応援は、声援よりも何よりも、チップが一番の応援なのです。

 

前回のブログで少し触れたように、お金や名声そのものに執着するとブレてしまいますから、活動の意図を忘れて欲目が出て、周りがケアできなくなるのはよくないと思います。

しかし、現実的にはミュージシャンにとって演奏は仕事。声援も嬉しいけど、声援プラス物販が売れるのがやっぱり一番有難いし、バスキングにとっては一番チップが嬉しいし、それがファンとアーティストのリアルな関係ではないかと思うのです。友情でも何でも利害関係というのは実はあるのと同じで。

 

ですから、バスカーが他のバスカーの演奏を観た時(聴いた時)に、「チップ」で仲間を応援すると言うのは、ミュージシャンシップ、助け合いのひとつでもあるのです。

 

世界的に苦しい今のこの現状が落ち着き、再び日本でバスキングを目にすることが増えましたら、その時は是非是非、声援プラス、コインを日本のバスカーたちに向けてあげてください。

バスカーさん同士も、ぜひ、仲間トークとして声かけるだけじゃなく、コインを「チャリーン」と。

粋ですよ!

 

以前に日本で見かけたバスカーの楽器ケースにチップ落として「いいですね!頑張ってください」と声かけたら、ぽかーんとされてしまいました・・・

そんなに珍しかったのかな・・・

 

まとめ

 

今回は、現在のバスキング事情に続き、バスカー同士のミュージシャンシップや助け合いについてを語らせて頂きました。

 

これらのお話しは次回への伏線にて、次は英国バスキング業界の内輪話しをお話したいと思います。

 

ご一読ありがとうございました。

 

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加筆:2020年現在はバスキングや実演、異文化交流(渡航等)が厳しい状況のため、趣味や興味のあるコトを中心にした戯言ブログとして更新しています。