バスキングのチップは課税?非課税?申告はすべき?
バスキングと聞けば、「チップは入るの?」と思う方が多いかもしれません。
バスキングは、日本ではプロモーションとしての形で行うことも多いですが、街で見かけるバスカー(ストリートパフォーマー)の足元には、楽器のケースなど「チップ入れ」が置かれている事が多いですよね。
あれって本当にお金は入るの?
そして、そのチップはバスカーの所得になるのでしょうか?
バスキングって儲かるの?
バスキングは儲かる?儲からない?
下世話な話しですが、バスカー達の足元に、本当にお金が入るのか気になるところですよね。
これはもう、経験した人しかわかりません。
バスカーを見かけたら、ケースをチラリ・・・と覗く人も多いと思いますが、「お金入ってないじゃん!」とか、「意外とお金入ってるかも・・」など、様々な声を聞きますが、正直なところ、一瞬通り過ぎる時に覗いただけではわかりません。
バスキングを開始して10分や20分では全く入らない時もあれば、最初からガンガンとコインが飛び交う時もあります。
すごく沢山入っていたら、もう何時間も演奏を続けていてようやくチップを得れた・・・という、血の滲むような努力があってかもしれませんし、スキルの高い演奏であっという間にチップを得たのかもしれません。
どんなにスキルが高い演奏をしても、何時間演奏しても、街のムードが悪かったり、通行人の方々が不景気であれば、チップは全く入らないかもしれません。
逆に、ダミーでお金を入れている事もあるかもしれません。
その本人しかわからない事でもあり、同時に、バスカー同士が稼いだ金額を提示するのはご法度でもあります。
その時、その時代の空気感や、演奏技量だけでなく、楽器や演奏ジャンル、場所などで大きく異なるので、「下世話な事は話さない」と言うのは同朋への気遣いであると同時に、徹底した個人主義のあらわれでもあります。
と、いうのも、「あの場所でいくら稼げた~!」なんてベラベラ喋ると、その演奏場所を他のバスカーに狙われてしまいますからね。
海外でのバスキングは、死活問題として行なっている人も多いので、いろんな意味でもチップに関しては、本人のみぞ知るところ。
稼いだ金額が盛られているのか、少なく見積もってるのか、わかりません。
いろんな意味でギャンブルですよね。(笑)
ですから、バスキングで「稼ぐ」という意識をもって挑むと挫折するかもしれないので、儲けようとは思わないのが一番です。
ただ、答えとしては、儲けることは出来ます。
その辺は、別の章で改めてお話しできたらと思います。
チップの申告は必要?
チップは「投げ銭」になるので、非課税です。
ただし、演奏に対しての感謝として頂いた「心付け」である事が前提です。
例えば、バスキングのピッチ(場所)で、CDなどの物販を広げ、それらを渡してお金をもらうと課税対象になります。
イギリス・ロンドンの音楽ライセンスを所持してバスキングをする際も、ライセンス上のルールで物販や自己のプロモーションをする事や、営利目的でのバスキングは固く禁じられています。
ロンドンでは、バスキング=正式な許可をもって行う仕事のひとつとしても認められているため、仕事ができる環境の人である事が前提ですので、旅行者はライセンスの資格を得ることはできません。
ライセンスを所持していれば、堂々とバスキングを行い、チップを受け取ることが出来ますが、それが営利目的ではない場合、投げ銭であるチップに関しては申告の必要はないとされています。(後述しますが厳密には比重によって必要な場合もあります。)
また、ライセンスバスカーを管理するマネージメントに対しても、マージンバックの必要もありません。
難関はライセンスを取得するという部分のみ。そこを通過すれば、あとはルールさえ守れば完全にフリーで演奏することができます。
その代わり、収入ゼロでも保証は全くありません。
また、顔として活躍するバスカー達は、バスカーを管理するマネージメントから、バスキング関連の仕事や、取材や出演オファー、イベント出演の依頼などを受ける時もあります。
それらは全て、無償です。つまり、ライセンス所持者のバスキング関連業務は全て所得にはならないと言う事になります。
ロンドンのバスカー達が申告しているのは、バスキング以外の仕事(自身の音楽活動などで得た収入)のみと言う事になりますね。
但し、厳密には、バスカー本人の活動スタイルや事情によって、必ずしもバスキングやバスキング関連の仕事が所得にならないとは限りません。
ライセンスを発行する管理団体それぞれが、投げ銭は非課税という根本的な意味から本人たちに任せている、というだけの事であり、基本的には仕事ができる環境であることを前提として発行しています。あくまで「そこまでは管理してませんよ」って言うだけなんですよね。
我々も「投げ銭だからね」と、半分ネタとしてトークしているところもあるので、バスキングを掲げて生業としているのであれば皆さん事業として自覚してきちんとやってると思います。
ここでは、あくまで「チップ=心付け」を前提としてお話しさせて頂いておりますので、詳しくは、以下のリンク記事にて記載してますので、お時間ある方はぜひこちらもご覧ください。
旅行者がバスキングした場合、どうなるの?
国外からの旅行者の場合は、イギリスでライセンスを取得してバスキングをすることはできません。
でも、非ライセンスでも演奏できる場所はあります。
バスキング=路上でパフォーマンスをすることですから、路上で演奏すれば、立派なバスカーです。
ライセンスの有無は関係ありません。堂々とやれます。
但し、周囲に迷惑がかかる場所や、明かに違法とされている公共の場で演奏すると、クレームが出たり、ポリスに立ち退き指令を出されたり、酷い時には捕まることだってあります。
異国の地では、情報収集が重要ですので、現地でフリーダムに演奏しているバスカーに声をかけて、様子を聞いた方が良いと思います。
しかし、旅行者がチップの収入目的でバスキングを行うことは違法です。
明かに稼ぐ目的でバスキングを行うことはやめましょう。
例えば、旅行の記念に、ちょっと演奏してみた、そしたら運よくチップを頂いてしまった!・・・と言うことであれば、心付けの範疇かと思います。
そこで調子に乗って「稼いでやる!」と長々演奏すれば、それはNOになります。
旅行者の場合は、あくまで記念や、軽い度胸試し程度、そして、そこに心あるもの、その程度で留めた方が良いので、長時間の演奏はやめてください。
旅の基本は、あくまで、その国の法やルールに従うことですので、単純にカッコイイ!だけでバスキングを行うと、思わぬトラブルに巻き込まれるかもしれないので、注意しましょう。
逆に、稼ぐつもりも全くなく、ちょっと演ってみただけなのに、心付けを沢山頂いてしまった・・・そんな場合はどうしましょう?
心付けを下さった方のご好意に感謝して、帰路で有り難くコーヒーでも頂いちゃいましょう。
そして、残りは全部、現地で募金してください。
海外にも、募金箱は街の至る所にありますよ!
これは旅人の鑑的な行為です。(笑)
日本でバスキングをやるなら、チップはどうする?
日本でも、チップは投げ銭になるので、基本的には非課税です。
しかし、それも稼ぎの度合いだと思います。
心付けの粋を超えるとNGではないでしょうか。
あくまで稼ぐ目的であったり、それで生計を立てれるくらいでしたら、申告の必要があります。
日本でバスキング活動をしている知人がいますが、その方は、日中は会社員として働き、空いた時間で行うバスキングはボランティアでやっています。
副業には値しないため、趣味の粋になりますよね。
それで稼ぐようになったら副業として申告する必要が出てくるのだと思います。
日本人であれば、日本で演奏することは自由、お金を稼ぐことも自由ですが、やはり生業として成り立ってしまうと立派な所得になりますので、心配な方は、税理士さんや専門の方に相談するのがベストです。
イギリスのライセンス所持上でのバスキングで得るチップは「心付け」として受け取れるとされてますが、それは、公式な団体がサポートをしている上での、公式なルール上の事です。
イギリス人が、イギリスで非ライセンスでバスキングを行い、それで沢山お金を稼いでしまったら、それは申告の必要が出てくるかもしれません。
また、ライセンス所持者であっても、バスキング行為を営利目的のスタンスで行えば、当然課税対象となり得るでしょう。
そこは日本と同じかと思います。
あくまで、チップ=投げ銭・心付け、と言うのは、基本的な情報と言うだけのことであり、心付け自体の線引きも、大変難しい問題です。
バスキングに限らず、無償で手伝いをしただけでも、仕事とみなされるような状況も沢山ありますからね!
自己判断はせず、正しい方法でバスキングの活動を続けましょう!
まとめ
今回は、バスキングのチップは課税か非課税か、筆者の経験や知る情報からご紹介をしました。
お金を稼ぐことを目的にするとそれは立派な仕事ですので、自己判断せず、お金の管理に関しては必ずプロの専門家に相談してくださいね!
しかし、もしこのトピックで考えてしまった方がいたとしたら、「バスキングの稼ぎを申告した方が良いかどうか・・・」と少しでも思っているわけですよね。その粋に辿り着けているとしたら、それは喜ぶべき事で凄いことですよ!
せっかくでしたら、事業として本腰入れてバスキングをやるのもいいかもしれません。
最後までお読み頂き有難う御座います。