世界で広がるミュージシャン達の 『Lockdown Session(ロックダウン セッション)』って何?ライブストリーミングでジャムセッションとは?
皆さんこんにちは。
世界中で、悲しく暗いニュースが続き、明日への不安を抱える日々が続いておりますが、せめて健康と精神衛生の管理は最善に保つ努力を行い、一刻も早く普通の日常に戻るよう、以前と変わらぬような素晴らしい世界に戻れるよう、心から祈ります。
適度な運動をしながら、明るいコミックや本、動画を観たり、音楽を聞いたり楽器に触れるなどしながら、最近では料理に時間をかけたり等など・・・私も何とか明るいマインドを、私なりにキープしています。
本音では、辛いですけども。辛いのは皆同じ。頑張りたいですね!
頑張りましょう!
現在、ソーシャルメディア等で演奏の様子を配信しているミュージシャン仲間がとっても多いのですが、今回は、その辺をちょこっと掘り下げてみたいと思います。
Lockdown Session(ロックダウンセッション)とは?
ソーシャルメディアでライブ演奏を配信しているミュージシャンの中には、バスカー達のほか、ジャムセッションのオーガナイザーも多いです。
彼らオーガナイザーは、定期的に行っているJamイベントが開催できない代わりに、インターネット上で自身のライブ演奏(Jam会場では定番となっている演奏など)を配信しています。
もちろん、バスカー達もプラットフォームを用いてライブ配信を頑張っています。
個々でのライブ配信のお知らせと同時に、ライブストリームを用いてジャムセッションを行おうという呼びかけや招待状などが、最近よく届くようになりました。
ライブストリーミングの機能を使って、同時に演奏する(セッションする)事を、何と言うかご存知でしょうか?
一部のミュージシャンの間では、「Lockdown Session(ロックダウンセッション)」と呼ばれています。
公式な(認知されている)言葉として呼称されている訳ではありません。
公式用語として意味が辞書に載っている訳でもありませんし、日本人同士の中では認知されていない言葉かと思います。
ただ、英語圏の友人達の間では、ロックダウンセッションと呼ばれる事が増えていますので、せっかくならばとご紹介させて頂きました。
ここでは、周囲の仲間達の状況からご紹介させて頂いているので、ご了承くださいませ。
Stay Homeでジャムセッション
ロックダウンセッションとは、通常のライブ動画配信として1人でプレイする人もいれば、2人~複数人、時にはかなりの大人数で、ライブストリーミングを通じて同じ曲を同時に演奏する事です。
つまり、部屋の中で行うジャムセッションです。
ジャムセッションについては、以下の記事をご覧ください。
既存の曲をコードの定義に従い演奏する事、またはオリジナル演奏を繰り広げるジャムセッションは、ミュージシャン達が即興演奏スキルを競い合う向上の場所でもあると同時に、ミュージシャンシップを深めたり、新しい出会いも多い交流の場です。
海外では気軽に音楽に触れる場所として最もポピュラーであり、我々日本人がカラオケに行く感覚でジャムセッション会場に訪れる人も多いのです。
プロの音楽家だけでなく、会社員でも定年後の年配の方でも誰でも演奏に参加することが出来、自由に音楽を楽しむ場所として無くてはならないソーシャル活動の場所のひとつ。
特に、パブを社交場とするイギリスでは、パブで開催されるジャムセッションはとても多く、ミュージシャンの腕慣らしや交流の場だけでなく、純粋に音楽を楽しみたいと言う一般の方も大勢集まります。
イギリス含め、海外の多くの国だけでなく、日本にもジャムセッションのイベントは沢山存在します。
しかし、そのセッションの場が、2020年4月(執筆時)現在、ほとんど封鎖されている状況です。
ミュージシャン達は、日頃の交流の場を失い、ライブ披露の場所もなく、日々、Stay At Homeで練習や制作作業を続ける日々です。
練習が好きと言うミュージシャンはとても多いですが、演奏を披露できない、外部での活動が出来ない、セッションと言う場所で音楽交流ができないと言う事は、非常に耐えがたいものがありますよね。
即興演奏欲を満たすと同時に得られるソーシャル効果
3月には、バルコニーで演奏を披露したり、音が聞こえ合う近隣で行うバルコニーセッションや、誰かの奏でる音楽に合わせ、それぞれがバルコニーで演奏したり歌ったりする様子が、映像でも多く見られました。
ポップス曲の演奏の他、イタリアでのオペラやクラシック演奏なども印象深く、沢山の映像が世界中で報道されていましたよね。
人々は、どんな時でも音楽を求めていると感じた方も多いと思います。
音楽によって勇気を与えたり、与えられたり、素敵な事ですよね。
ロックダウンセッションも、様々なジャンルで行われており、ポピュラー曲のカヴァーを演奏するバンドや、アコースティックサウンド、その他、オーケストラ演奏やオペラ歌唱、アカペラ歌唱、時にDJプレイなどもあります。
インターネットを通じて行うことで、音の聞こえ合う近隣のバルコニー同士で奏でるセッションのような、リアルなライブ臨場感のある情景とはまた違ってきますが、ライブストリームを用いることにより、部屋の中でも、より多くの人たちと演奏の場所を共有する事ができますよね。
バルコニーで外に向かって歌う事で懸念される、もし路上を歩いてる人がいたら?近隣の騒音問題は大丈夫?などと言う不安も少しは解消されます。(もちろん、環境によっては騒音問題の観点で、部屋の中で演奏したり歌うことも出来ない場合もありますが・・)
気軽に参加できるネット通話、複数人で行えるテレビ電話のプラットフォームを使う事で、自分の仲間内以外のミュージシャンが参加する機会も増えます。
演奏スキルの向上や、一緒に演奏をして音楽共有をする楽しみのほか、新しい出会いの場所としても、「ジャムセッション」としての定義を満たしてくれますよね。
招待状を受け取り、(騒音問題などに差し障りのないような)環境が許す方は、どんどん参加するべきだと、個人的には思います。
私の友人達のロックダウンセッションの動画をご紹介したかったのですが、如何せん皆がプライベートのプラットフォーム上で限定公開しているもので、現時点ではパブリックでご紹介できる知人のリンクがございませんで・・・(汗)
ただ、パブリック公開の動画でも、世界中のかなり多くの方があげているようですね!
片仮名などの日本語表記ではまだ認知されていないため、「Lockdown session」と、英単語でサーチして、ぜひ一度ご覧になってみてください。
ただただ、音楽のパワーに感動すると思います。
ジャムセッションで大事な事は、日常の暮らしにも大事な事
私たちが今まさに体験している過酷な時代背景の中で、ライブストリーミングでジャムセッションを行い、それぞれが、それぞれの部屋の中でひとり演奏し、歌う。それが世界中のミュージシャン達と繋がり、ひとつの大きな音楽となる・・・
そこで演奏する人たち、歌う人たちの表情は、悲痛の叫びが現れると同時に、祈りを込めている必死の思い、生きる力がみなぎっています。
今、私たちに大事なことのひとつとして、それが音楽で表現されているような気がします。
個人で正しい判断をし、個人(単独)で行動する事が重要であると同時に、周りを思う事、協調する事。力の団結が必要な時です。
それはまさに、ジャムセッションの基本である、「確立された独自のソロ演奏」「インディペンデンス(独立)精神」と同時に、最も重要となるのが「協調性」である事と同じ。コード進行という定義以外、演奏スタイルや展開は何でもありのジャムセッション、しかしながら本当に何でもありではいけないわけで、ジャムセッションは常に周りを気遣う事、周りの様子をうかがう事、協調する精神を以て、各自が単独の演奏をしながらも皆で1つの曲としてまとめてゆき、綺麗に完結させなければいけないのです。
ジャムセッションで組んだ相手の、バンドの誰かひとりでも、むやみに考えなしに演奏したり、指揮に従わなかった場合、曲の構成は乱れ、延々と演奏が終結できないことや、曲を無理やり終えても尻切れトンボのように中途半端になったり、満足を得る演奏結果が残せません。
ジャムセッションは、ルールに対する理解を持つミュージシャンと組む事、周囲のミュージシャンが互いを気遣える意識を持っている事が成功のひとつでもあり、セッションバンドでイニシアチブを取る人間の適格な指揮も必要となってきます。しかし、何より大事なのは、各ミュージシャンの個人の意識です。
周囲に気を配り、周囲を思いやる事。それはどんな状況でも立場でも同じ大切な事なんだ、と。
懸命に音楽を発信し、時にロックダウンセッションでミュージシャンたちと交流を持ち、音楽生活のモチベーション、精神衛生をポジティブに保とうとする人々の様子を見ながら、その素晴らしい音楽を聴きながら、改めてそんなことをふと、思いました。
個人でライブ発信をしたり、近況報告を映像で送り合うのも、互いにとって嬉しいものです。
そして時に、ライブストリームを用いて、仲間達と共有する時間を楽しむのもいいかもしれませんね!
まとめ
今回は、ライブストリームを用いて音楽のジャムセッションを行う『Lockdown Session(ロックダウンセッション)』について、ご紹介と同時に、その背景から考える事など個人的な意見も綴らせて頂きました。
音楽生活を中心に語っているサイトのため、音楽演奏についてやミュージシャンの様子をご紹介させて頂いておりますが、音楽演奏のセッションに限らず、会話のセッションの場としても、興味のある方はソーシャルメディア等のプラットフォーム上でのミーティング、ライブストリーミング・セッションをお試しになってみてください。
引き続き、皆で協力し合って頑張っていきたいと思います。
最後までお読み頂き有難うございます。