変わりゆく未来のバスキングスタイル

変わりゆく未来のバスキングスタイル

 

2020年に入り、一転してしまった世界の中で、世界中の人々が未だかつて経験したことのない過酷な状況の中、生き延びる術を模索しながら戦い続けています。

 

学生達は友との学びの時間の共有、交流の時間を失いながらも勉学を続け、仕事ができなくなってしまった人達は、明日に備えて必死で策を練り続け、生きるか死ぬかの思いで生きています。

また、仕事の需要はあっても不安と戦いながら過酷な労働時間を勤める方々、医療関係者様をはじめ、役人の方々、ショップ店員の方々、公共交易設備や通信関係、運送業などライフラインを動かし続ける方々などには頭が下がるばかりですし、家族の在宅勤務や在宅勉強を支える方々も、大変なご苦労が多いことと思います。

 

皆が身を削る思いです。

 

この先訪れるかもしれない大不況への不安はもちろん、そして何より、飲食店や旅行関係、娯楽関係の施設、エンターテインメント業界の大打撃も避けられません。

誰一人として、苦しく無い状況の人はいない時代です。

 

バスキングも同じく。

バスキングなんて、絶対にやれません。と言うような世界をいま生きています。

 

エンターテインメント業界全体が、業界で働く皆が同じ苦しみを味わっていますが、バスキングをはじめ、メディアを通さない実演系のお仕事である舞台やライブ、コンサートなどを中心に長く活動してきた方々にとっては特に、生きた心地がしないほどです。

 

実際に、バスカーのメディアライブ配信なども盛んに行われてきましたが、収入となる事はほとんどなく、すでにテレビやSNSライブ発信等のメディア活動を並行してきたアーティストに比べると、メディアを通じての発信に少し遅れを取ってしまっている状況かと思います。

 

もちろん、活動面も収入面も大打撃を受けているのは全ての職業に当てはまりますが、ここでは、バスキング雑学サイトとして、バスキングに焦点当ててお話しを進めていますので、よろしくお願いします。

 

 

 

バスキングの希望

 

6月に入り、イギリスは、ファッション関連やカフェなどショップや動物園の施設などを全面的に再オープンすると同時に、トランスポートも平常に戻し、新しい生活スタイルでの日常への第一歩を踏み出しました。

 

それに先駆け、ロンドン交通は全てのライセンスバスカーに、バスキング再開の希望と新ルールの考案についての通達を出しました。

 

バスキングの継続や未来にも希望が見えたわけですが・・・・

 

現時点では、フェイスカヴァーリングは必須。つまりマスクの義務付けです。

その他にも、チップの受け取り方に関しても論議が繰り広げられていますが・・・そこはまた別のお話しで。

 

Face covering Busk(フェイスカヴァーリングバスク)

 

マスクをしてのバスキングという事は、トラック使用の歌手バスカーや、弾き語りのバスカー、フルートやサックスなどの管楽器も演奏が不可能になります。

 

必然的に、インスト奏者、特にクラシック分野などに限定されていく事にもなるかもしれません。

 

友人の中には、「マスクの中にピンマイクを仕込む」とか、「歌声のトラックを用意して、歌声に合わせて生ギターを演奏する」「マスクに歌っている口を描く」など、中にはユニークな意見交換をしている人もいましたが・・・(笑)

 

皆、心の中では穏やかではありません。

 

しかし、それでもピースフルで希望あるコミュニケーションを保てるのは、その中に誰一人として「ふざけんな!」「そんなんでバスキングやれるかい!」と声を上げたり、反発するバスカーがいない事です。

 

対策とアイデアで希望を見出すのみ

 

バスカーは、遥か昔より暗黙のルールとして、バスカー同士で争おうとも、通行人に迷惑をかけてはいけないという意識があり、ライセンスが義務化されつつある現在でも、「あくまで公共施設でのBGM演奏であり、営利目的として(物販などもNG)バスキングを行ってはいけない」という公式のルールがあります。

 

バスカーは大変、御行儀がいいんですよ、実は。(笑)

 

それに、バスキングの通達で降りてきたルールや考案などは、公式、つまり国からの意見です。

 

そこに反発する人はいません。バスキングを継続させることが大事ですからね!

下手に文句を言って「ハイ、じゃあバスキングは金輪際禁止!」などと言われたら大変ですし、実際に、この先に無くなってもおかしくはないのが「路上演奏」です。

 

古くより幾度となくトラブルなどがあり、「禁止!」と言う通達と共に消されることがあってもおかしくはないバスキング文化を守り続けてきたのは、演奏を続けたバスカーの思いだけではなく、何よりも路上で行き交う通行人であり国民の皆と、倒れそうになったバスキング文化を支援してきた国のおかげです。

 

それを何よりわかっているのが、バスキングで生活をしてきたレギュラリーのバスカー達。つまり、現在、収入ゼロとなっている可能性も高いバスカー達です。

一番辛い立場である彼らが、一番に大切に思うのは、チップで応援してくれた通行人、英国民や全世界のツーリストであり、文化を陰で支えてきた国への恩恵です。

 

バスキング、そしてバスカーは、通行人にとって脅威であってはいけません。

 

そのため、ライセンス所持者は、皆が国際ポリスのチェックを受けていますし、非ライセンスバスカーであっても、そこはバスカーなら誰もが心得ているのです。

 

現在の状況では、路上で歌ったり、至近距離で激しく演奏している人の側を通るということを考えると、バスキングは通行人にとって、多少なりとも警戒しなければならない存在です。

 

ロンドン交通に限らず、各市でも、新ルールの考案や、バスキングに関する問題解決は繰り広げられています。

 

長くなるので、その辺はまた次回に詳しく語らせて頂きますね!

徐々に情報アップデートしていきたいと思います。

 

バスキングを今演る事より、未来に残すことへの希望

 

私たちバスキング文化を愛する者にとって、今、自分たちが演奏出来る、出来ないという問題が需要なのではなく、バスキングという文化を後の世の中に継続して残していくことです。

 

そして、この局面に立たされた事で、リーマンショック以来、大勢のバスカー達が、生き方や暮らし方を考え直す機会を与えられたという事も、前向きに考えたいと思っています。

どういう事か、こちらも、追々お話ししていきたいと思います。

 

リーマンショック時については、過去の思い出話しからどうぞ。

ロンドンのバスキング・バブル時代についてちょっぴり語ります

 

さて、そんな状況の不安定なバスキング事情ですが、早速、オックスフォードストリートの地上にて、バスキングを再開させた弾き語りバスカーもいました。

3月中旬のバスキングを最後に、実に3ヶ月ぶりのバスキングで、街の通常営業再開で盛り上がる人たちを楽しませたようです。

 

基本的には、外出時のフェイスカヴァーリング要請は出ているものの、屋外であるストリートではマスクを着用していない人々もチラホラ。そんな中でのバスキングは、きちんと社会的距離をとっている限りは、避難されることも少ないのではと思われます。

 

では、いよいよ弾き語りなどの歌うバスカーも解禁ですね?と思いそうなところなんですが・・・

 

先日バスキングを弾き語りで行ったと言うのは「地上」のお話し。

 

こと、アンダーグラウンドバスカーに関しては、まだまだ厳しい道のりです。

 

トランスポートのルール

 

アンダーグラウンドとは「地下」と言う意味です。

ロンドンアンダーグラウンドとは、通称Tubeと呼ばれる地下鉄のこと。

 

ロンドン アンダーグラウド周辺でのバスキングは、古くから街の風景のひとつでもあり、バスカーにも人気。国外の観光客からも、観光名所のひとつとして見られることもあります。

 

但し、アンダーグラウンド圏内に設置された国公認のピッチで演奏ができるのは、国公認のライセンス所持のバスカーのみ。同じく、レール周辺で演奏をしているバスカーもライセンス所持者。

トラファルガーやラッセルスクエアなどの公共広場もまた、ライセンス所持者のみ可能となっています。

 

街中のストリートでも、リヴァプールのマシューストリートのように、観光名所となるような目抜き通りはライセンス制度になっているところも多く、各通りによって条件は異なります。

概ね、地上のストリートは非ライセンスで演奏可能な場所も多く、バスキングのルールや、バスカー同士のミュージシャンシップさえ心得ていれば、バスキングできるのです。

 

それぞれのバスキング環境を見ると、人々が密接になり得る環境、通行人にとって不安要素になる可能性が大きい場所というのは、トランスポート=交通機関です。

上記で言うと、アンダーグラウンドやレールのバスキングということになります。

 

そして、トランスポートの利用時には「フェイスカヴァーリング必須」という、新しいルールが設けられています。

 

この、「新しいルールに対して文句を言わないで言う事聞いてくださいね」と、市民にお願いを呼びかける文面に続き・・・

-New rules could be fined and refused travel.

こんな一文が存在します。

 

交通機関を利用する際にマスクをしてないと、罰金を課された上に、乗車拒否=交通機関の利用をさせてくれない可能性があると言う事です。

 

可能性があると言うのは丁寧な言い回しであって、つまり、トラベル拒否されるんですね。

 

アンダーグラウンド バスカーが音楽をお届けする相手、オーディエンスでもあるお客様はトランスポートの利用客です。

 

例え、車内で演奏するわけではなくて、駅の外での演奏だったとしても、交通機関を利用する方のマスクの義務付けがあって、国から派遣されているバスカーがトランスポートエリアでマスクをしてないのも、見る人によっては疑問に思うはず。

 

全てのバスカーが対応できる環境や対策が整い次第、徐々に道は開かれていく事になると思いますが、全バスカーに対する全面的なピッチ開放には、まだまだ先が長いのかもしれません。

 

しかし、何よりも、通行人の安全と、自身の安全が第一。

 

周りが第一であり、演奏する事で周りに迷惑をかけてはいけないのがバスキング。

「自分がバスキングしたいからやる!」と言うバスカーは誰一人としていません。

 

その心は他の社会で働く人々と通ずるものがあると思います。

 

この過酷な時代の到来により、歴史的にも長く続いているバスキングのスタイルは、この先大きな変化を遂げていく事になり、以前のスタイルが全く無くなってしまうかもしれません。

しかし、近い将来、理想とするバスキングのスタイルがもしも衰退してしまっても、エンターテインメントが枯れる事はありません。

 

全てのエンターテインメント業界の人々にとって、希望が消える事は決してないと思います。

 

まとめ

 

ふっと浮かんだのが、ダーウィン進化論。

色んなニュースを見ても、変化をする事業主、この状況を逆手にとって立ち向かっていく人々はすごいなあと改めて尊敬すると共に、今こそ全ての皆に必要な精神なのかなと思いました。

 

It is not the strongest of the species that survives, nor the most intelligent that survives. It is the one that is most adaptable to change.
”生き残るのは、最も強いものでも、最もインテリジェントな(最も賢い)ものでもありません。生き残るのは、変化に対応できるものです。”

Charles Robert Darwin [England] 1809-1882

 

変化が大好きそうに見えて、実は移動が好きなだけな私は、変化するのが苦手な方です。(苦笑)

バスカー体質って、同じような人多いかもしれませんので、色んな意味で苦境に立たされているわけですが・・・・

これをチャンスと取って、新しい音楽の取り組みを始めているバスカーも実際に多いですし、延々とバスキング再開のアップデートを待つ人も、多いです。

 

この苦しい状況が逆に追い風となるか、そのまま倒れるかは、本人次第ではあるのですが、倒れるかもしれない状況を考えると、怖い、不安になる、それが本音だと思います。

 

しかし、変化せずにただ嘆いているわけにはいきませんから・・・

 

アンダーグラウンドバスカー達は、長年過ごした地下から、地上へと出て行くべき時に来ているのかもしれません。

 

皆様もどうかStay safeで、お互い、頑張りましょう。

最後までお読み頂き、ありがとうございます。

 

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加筆:2020年現在はバスキングや実演、異文化交流(渡航等)が厳しい状況のため、趣味や興味のあるコトを中心にした戯言ブログとして更新しています。