イタリアン珈琲のすすめ
イタリア人が譲れない、珈琲文化
イタリア人は、イタリアの珈琲が世界一だと思っています。
珈琲だけは譲れない!という声多し。
イタリア人にとっては、珈琲と共に生きるのが人生。
ちなみに、イタリア人はコーヒーのことを、Caffè(カッフェー)と呼びます。
ここから先は、珈琲=カフェと称しますね!
そして、カフェというは、エスプレッソのことを指します。
朝起きたらカフェ、バールでカフェ、ランチやディナーの後にカフェ、休息時間はカフェと共に・・・
日常にカフェは欠かせません。
カフェなしでは生きられないと言っても過言ではありません。
イタリア人の体はカフェで出来ている?!
・・・・と、言ってもおかしくないほど(笑)、イタリア人の1日はカフェと共に始動します。
まず、朝カフェを飲まないと体が始動しないんですよ!
もう、ものすごく共感ですね!(笑)
仕事で、イタリアのスタジオに入った時のこと。
10時からの予定だったんですが、イタリア人って、仕事に真面目で、時間もきっちり守るんですよ。(ちなみに北部の人間です)
時間のかなり前から、仕事のボスから電話がブーブーと鳴り続け・・・
「待ってるよ!」「10時には即開始だからね!」と、ものすごく念入り。(笑)
そして到着、準備完了、さあはじめましょう!となったその時・・
「その前に、カフェだ。」(ボス)
そう言って、エスプレッソ を煎れはじめました・・・
いやいやいや!先にやろうよ、それ!(笑)
10時ぴったりに開始と言いつつ、10時ぴったりに始まったのは、カフェ・タイム。(笑)
これ、朝だけではなく、ランチ後でも休憩時間でもディナー後でも同じです。
珈琲好きさんには、イタリアの生活スタイルはたまりませんね!(笑)
ロンドンでも・・・イタリア系カフェが中心!
10年少々前から、カフェのチェーン店の進出が増大し、コーヒーが無くてはならない国となったイギリス。
ロンドンでも、イタリア系のカフェのシェア率はナンバーワンです。
イギリスの人々の中でも、コーヒーといえば、イタリアン!という人も多いほどに、慣れ親しまれています。
イタリアのカフェ歴史
イタリアは、コーヒーベルトと呼ばれる、赤道付近のコーヒー豆の栽培が盛んな地域には入っていませんので、一般的にピン!とはこないかもしれませんが、珈琲好きな方であれば、イタリアン珈琲を好む人もきっと多いと思います。
個人的には、酸味が少なくてしっかり濃い味なところが好きですね!
日本でも、ブラジルやエチオピアの豆の方が、馴染みがあると思いますし、歴史的にもエチオピアが最古とされる説もあります。
コーヒー歴史の、その始まりは9世紀、ヨーロッパに渡ったのは17世紀頃と言われています。
ちょっぴりヨーロッパでの始まりは遅いのですが、今では至る所に存在するおしゃれな「カフェ」(お店のほう)の文化は、フランスから始まったとも言われており、18世紀に入ると既に300軒ものカフェが存在していたとか。
イタリアでは「バール(Bar)」でカフェを飲むのが一般的ですが、イタリアのカフェ文化もフランス同様にその文化に大きく貢献しているものであり、ローマの「アンティコ・カフェ・グレコ」や、ヴェネツィアの「カッフェ・フローリアン」など、18世紀より存在する歴史的カフェもあるほど。
イタリアンカフェの文化は世界的にも有名で、彼らにとってなくてはならないものなのです。
そしてエスプレッソは、イタリアで発祥したスタイル。
このエスプレッソが、日本で言うところの「コーヒー」(ブレンド?)のような位置である、一番ポピュラーな珈琲スタイルなのです。
つまり、コーヒーのことをカフェと呼び、カフェといえば、エスプレッソの事なのです。
エスプレッソ誕生!
エスプレッソの誕生は、1806年ナポレオンの大陸封鎖令によって、フランスの植民地でコーヒーや砂糖の供給が途絶えたことから始まります。
当時、チコリを代用したコーヒーをはじめ数々のコーヒーに代わる飲料や、新しいコーヒーが生まれました。
イタリアでもコーヒー豆不足に悩み、歴史的カフェであるローマの「アンティコ・カフェ・グレコ」の三代目オーナーであるサルヴィオーニが、珈琲の量を3分の2に減らして小さなカップに入れ、価格を下げて提供することで、珈琲の供給不足によるカフェ提供の困難をしのいだのです。
それが、まさかの大ヒット!?・・と、なるのかな。
人々に受け入れられたエスプレッソは、やがてカフェの中心核となって、イタリアの人々に愛されるようになったのです。
今では、エスプレッソじゃなければカフェじゃない!、カフェじゃなければ珈琲じゃない!というほどに。
ミルク入りは午前に限る
イタリアンカフェと言えば、カフェ(エスプレッソ )だけでなく、カップチーノや、カフェ・マキアートなど、ミルクを使用したものも有名です。
どれも美味しいですよね。
しかし、イタリアでこれらの「甘い珈琲」を飲むのは、午前だけ。
午後に飲むのは邪道とされているのです。(もちろん、頼んでも構いません!笑)
基本的に、甘いものは午前にいれるというところがあるのかな。朝食でも同じで、イタリア人は朝は甘いものしか食べないと言う習慣があります。
なので、ちょっぴり通を気取りたいならば、ミルク入りは午前にして、午後からはカフェ(エスプレッソ )・オンリーで頼むといいと思います。
ちなみに、再確認ですが「Cafe(カフェ)」とオーダーしたり、英語で「コーヒー(Coffee)」と頼むと、エスプレッソが出てきますので!
どうしても、お湯で割ったブレンドコーヒー的なもの(日本で言う「コーヒー」)が頼みたければ、「アメリカーノ」や「フィルター(フィルター式コーヒー)」と言うメニュー名になりますが・・・
「アメリカーノ」はイギリスではポピュラーなメニューですが、イタリアではナンセンスです。ブラックならばエスプレッソ、濃いのが苦手で割ったものが欲しいならば、ミルク入りの「カップチーノ」や「ラテ」、ミルクとキャラメルで割った「カフェ・マキアート」などにしましょう。
お値段は、大抵、カフェ(エスプレッソ )は1ユーロ。
カップチーノなどで、1.2〜1.5ユーロ。
観光地などで高くとっているところで、3ユーロなど取られる時もありますが・・・
4ユーロ以上取られた場合は、かなり不親切な店か、バリバリの観光地の目抜き通りではないかと思います。
通常はお手軽な価格なので、ローカルのバールなどで楽しみましょう!
イタリアのカフェ(珈琲)に外れなし!
イタリアのカフェ(珈琲)に、ハズレはないです。
気をつけたほうがいいのが、スーパーなどで売ってある(大抵ヨーグルトのコーナー付近に置いてます)プラカップ入りのミルクコーヒーなど。
あれはお勧めしません。
パッと見た感じは日本のコンビニに売っているような、ミルクコーヒーやカフェラテを想像しますが、全然違いますので。とにかく、スーパーで買える缶入りや、プラカップ、紙パック入りのミルクコーヒーのクオリティーに関しては、日本に敵う国はなかなか無いかと。
カフェ等の飲食店で頂くコーヒーならば、個人的には日本の(バール同等のお値段のお手軽な)カフェで頂くよりも美味しいと思います。実はイギリスも同じ、カフェのコーヒーはかなり美味しいです。
しかし、イタリアでもイギリスでも、スーパー等のショップでコーヒー飲料を購入するのは避けましょう。
イタリアなので、スーパーで売ってるコーヒーも美味しいかと思いきや、そこは厳しいです。(笑)しかし、それ以外はぜーんぶOK!どのカフェで、どのコーヒーメニューを頂いても当たりばかりです。
ホテルの朝食で飲むカフェも、お友達の家で煎れてくれるカフェも、適当に入ったバールや、レストランでのカフェも、まずハズレなし!
自動販売機を見つけたら常用必須!
筆者が大好きなのが、イタリアのカフェの自動販売機です。
ホテルや公共施設、ゲストハウスなどに設備してあることが多いですよ。
こんな感じのもの。
見たことありませんか??
これも、予想を超える美味しさとクオリティーなのです。
日本のカップ入りドリンクの自動販売機を想像するかもしれませんが、それ以上。このコーヒーの自動販売機だけは、自動販売機文化に慣れ親しんだ我々でも、ひれ伏せざるを得ない本気珈琲のマシーンと言えます。
購入はカンタン!
コインを入れて、ボタンを押すだけです。
メニューも、こんな感じ!
珈琲だけですよ!めちゃめちゃ種類多いですよね。(笑)
もう、イタリア人の珈琲愛が、この自動販売機だけで伝わってきます。
コインは、50セント〜1ユーロあればOK。
お値段は中身によって変わります。但し、小銭はぴったりで用意しておく!
キャラメルマキアートのような、キャラメルや、ミルクやチョコレートを使ったものは高くなります。
まず、普通にエスプレッソにしておけば間違い無いんだけど・・・
全部、外れなし。(笑)
それに、疲れた時は、キャラメルやチョコレート入ったものが欲しくなるんですよね。
おすすめは、チョコ入りですね。
こちらは、カフェ。(エスプレッソ )
このような感じで、スプーンがセットされて出てきます。
画期的ですよ!日本の画期的な自動販売機に、世界も負けてはいません。
とにかく、全部美味しいし、安いし、お手軽なので、カフェの自動販売機を見たらぜひ、購入してみてくださいね!
カフェはドルチェ
先ほどの写真で「なんでスプーン?」と思った方もいると思いますが・・・
イタリアでは、カフェに砂糖をたっぷり入れるのがスタンダード。
日本だと、エスプレッソをクールに砂糖抜きで飲んでる、渋い人もいるのですが、イタリア人に言わせれば邪道。
カフェは、砂糖をたっぷり入れるもの!
そうですね、スプーン2杯くらいは軽く。
そんなに?!
・・と、思いますよね。それが普通です。でも、あくまでご自身の健康を考えた上で、調整してください。
ぐるぐるとスプーンで砂糖をかき混ぜるわけですが、そんなに砂糖があると、溶けきれません。
ですが、カフェを飲んだ後に、カップの底に溜まった砂糖。それこそが、醍醐味なのです。
カフェの苦味に絡んだ、ねっとりとした砂糖・・・・
これは、彼らにとってドルチェ。つまりデザートです。
カフェを飲み干した後、底に溜まった砂糖をスプーンで拾い上げて食べるのが、至福の時なんですよ。
スプーンは、混ぜるためというより、砂糖を食べるために付属されてるのかもしれません。(笑)
トリノに行ったら訪れたい、ビチェリン!
イタリア・ピエモンテ州のトリノといえば、ジャンドゥーヤの発祥地。
チョコレートとは切っても切り離せないゆかりがあります。
そんなトリノだからこその、名物珈琲ドリンクが、「ビチェリン」。
チョコレート、エスプレッソ、生クリームと3層になった、スウィーツかつ、大人な味も感じれる、このスペシャル珈琲ドリンク。
この3層を混ぜずに頂くのがポイント。
ビチェリンは、トリノのバールやカフェに行けば、提供されていることが多いメニューなのですが、厳密にはビチェリンというのはお店の名前なんです。
1763年に創業の、カフェ・アル・ビチェリンというカフェで提供された珈琲なので、そのまま「ビチェリン」と呼ばれるようになりました。
アップ写真がなくてすみません、こちらが正真正銘の、ビチェリンで出されたビチェリン。
筆者もまだ一回しか「カフェ・アル・ビチェリン」に行ったことがありません。
一番最初にトリノに降り立ったときに、絶対飲もうと決めてたので、即向かって、そのおいしさに感動!
時々プラリと行きたいのですが・・・
市街地にあるんですけど、場所、結構迷うんですよ。(笑)
イタリア人の仲間の間でも「迷う」と有名。
まあいっか、ということで、ビチェリン飲みたいときは、近場で済ませております。
こちらが、他のバールで頂いた、ビチェリンです。
なかなか美味しそうですよね。こちらも美味しいですよ!
もし日本からイタリア旅行するならば、ぜひ、ビチェリン本場に行ってください。
ビチェリンは、リキュールとしても発売されているので、トリノのお土産屋さんなどで気軽に買えます。
提供されているドリンクではなく、あくまでリキュールですが、名物のひとつなのでお土産にもおすすめです。
ナポリの珈琲に驚きを隠せない!
カフェ人間であるイタリア人が、声を揃えておすすめするのが、ナポリのコーヒー。
イタリアの友人とディナーをした際、筆者はナポリコーヒーのオーダーを拒んだにもかかわらず、お願いされてまで飲まされた事があります。(笑)
イタリアって珈琲はどこでも美味しいんですよね。
だから、イタリア友人とのディナー先のその場で無理に飲む必要もないかと思ってて。
と、いうのも、その時、筆者は手持ち現金が少なかったもので。ちょっとケチりました。(笑)
イタリアは、カードスキム被害も結構多いので、飲食店などでは現金払い必須なんですよ。
食後に色々ドルチェも頼んだし、珈琲は家で飲むかあ!という感じだったのですが・・・
「このレストランは、ナポリの珈琲を出してるんだよ!お願いだからカフェ飲もうよ!カフェ代は奢るから!」
と、友人にめちゃめちゃ頼まれました。(笑)
いやいや、そこまで言われるんだったら自分で頼むし・・・と思って、頼んで飲んでみたのですが・・・
驚き桃の木ですね!
スローフードの北部、ソウルフードの南部
ナポリは、珈琲だけじゃなく、ソウルフードも美味しいです!
ナポリ・ピッツアも有名ですよね。
美食の街、北部のトリノは、トリュフや牛肉のタルタル、ファッソーネなどなど、素材を活かし、やや高級な匂いも漂うスローフードが中心です。
そんなトリノーゼ達含め、イタリア人が声を揃えていうのは、ソウルフードはやっぱり南部。
確かに、スパゲッティーは、ローマとか美味しいの多いなあ。なんて思います。
まだ筆者はナポリには行ってないのですが・・・
用事ができたら、行ってみたいと思います。(笑)
食事ネタはまた改めて。
とにかく今は、ナポリコーヒーが飲みたいっ!
まとめ
今回は、珈琲好きならファンも多い、イタリアのコーヒーについてご紹介しました。
飲みたくなってきましたよね!(笑)
珈琲はたまにしか飲まないな・・という方も、次回はぜひ、イタリアンの珈琲豆も試してみてください。
次回は、カフェにぴったりのコルネットもご紹介したいと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。