バスキング適性診断
皆さんこんにちは。
海外のバスキング事情をお伝えしながら、「バスキングのすすめ」を担当しています。
Busking(バスキング)とは、大道芸をすること。路上演奏やストリートパフォーマンスと全く同じ意味の英単語です。
Busk(バスク)という言葉は、街頭演奏をするという意味で、Busker(バスカー)という名詞からやってきた言葉です。
つまり、バスカーとは大道芸人のこと。ストリートミュージシャンと言えばわかりやすいですね。
「バスキングってなんじゃ?」という方は、バスキング話の始まりでもある、以下の第一章にもぜひお越しください。
バスキングって何?バスキング(路上ライブ)の由来や歴史、バスカー達の暮らしとは?
今回は、バスキングをはじめる前提でお話しを進めますね!
バスカーに向いてる人、向いていない人
いきなりですが、向き不向きのお話しから。(笑)
バスキングをやってみたいな、と思う時点で、そう思う方は既にパフォーマーですよね?
楽器や歌、もしくはパントマイムやダンスなど、何かの一芸を持っている人か、芸を極めるために努力をしている方だと思います。
ですので、ここでは、大道芸が披露出来る方であることを前提として、そうでない部分の向き不向きについてを、個人の経験からアドバイスしたいと思います。
この章では、技量面は全くスルーしますので、よろしくお願いします。
バスキング初心者です。向いてるかなあ・・
パーソナリティーから、バスキングの向き不向きがなんとなくわかるんですよ。
バスキングって、意外にも地味で淡々としてて、過酷な労働。
その反面、嫌でも人の目につくと言う、矛盾も有ります。
チェックポイントをまとめましたので、ぜひセルフチェックで照らしわせてみてくださいね!
*チェックポイントは、バスキングを「生業」として、がっつりやりたい人へ向けてのアドバイスになりますので(ちょっとバスキングをやってみたいだけなんだよね・・)という方は、あくまで参考程度にしてください。
バスキング向きの人・セルフチェック
バスキングに向いている人は、以下の特徴があります。
- 無類の演奏(パフォーマンス)好き。演奏バカと言われる。
- とにかく長い時間演奏し続けたい。
- 適度にいい加減である。
- 単独行動が好きで、集団行動は苦手。
- ひとりで楽しみを見つける事ができる。
- 束縛が嫌いで、組織に属したくない。
- 地味な作業や、流れ作業が苦ではない。
- 忍耐力、継続力があり、我慢強い。
- 感情の浮き沈みが激しくない。
- 気が強く(気合いがあり)、メンタルが強い。
- アナログ人間である。
- 慎重かつ自己防衛に長けている。
- そこまで目立つのが好きではない。
- 他人と程々の距離感を保つことができる。
- 社会的交流に重きをおいていない。
- 体力には自信がある方だ。
- どちらかと言えば欲が無い。
- 贅沢しなくても生きていける。
- ネット社会に対して適度な配慮を持つ事ができる。
- 自己管理する事ができる。
上記、20項目のうち、半分以上「マル」の人は、バスカー向きと言えます。
私自身が半分しか当てはまらないので。(笑)まあ、それで、なんとかやれるかなあと言うところです。
長老は感情が激しいですしね。本当は向いていないんじゃ?
なんとなく、地味な感じ?の結果に思えますよね。
はい、バスキングは、音楽活動分野の中でも超地味なジャンルです。(笑)
実際に、長くバスキングを続けており、チップ収入もそこそこ安定しているバスカーは、上記の20項目に当てはまる傾向が見られます。
向いてる人のポイントを分析してみよう
無類の演奏(パフォーマンス)好き。演奏バカと言われる。
ご説明の必要もなく、バスキングは無限に演奏し続ける事ができます。(笑)
とにかく長い時間演奏し続けたい。
長時間演奏するのが最後には嫌になるほどに、長時間演奏できます。
適度にいい加減である。
2時間、4時間、6時間・・・と言うノンストップの演奏を、毎日演るわけなので、当然、公衆の面前でコードが間違えたり、歌詞が抜けたり、恥ずかしい思いをする時もあります。失敗や間違いを気にせず、適当に誤魔化せるくらいで無いといけません。
単独行動が好きで、集団行動は苦手。
バスキングは、終始「ひとりぼっち」ですので、ご安心ください。
ひとりで楽しみを見つける事ができる。
たった一人で路上で延々と演奏を続けるわけですから、演奏してても暇に思う時もあれば、飽きる時もしょっちゅうです。筆者は、通行人の人間観察をしたり、妄想をして楽しんでいました。
束縛が嫌いで、組織に属したくない。
大丈夫です、バスカーは完全フリーなので何の保証も有りません。
地味な作業や、流れ作業が苦ではない。
バスカーは音楽を止める事なく演奏を続けなければいけません。思っている以上に地味で単純な作業です。
忍耐力、継続力があり、我慢強い。
演奏の耐久性はもちろんですが、見知らぬ人に絡まれたり、ジャッジされたり、筆者の場合は日本人なので(海外で演ると外国人になりますので)差別的用語を浴びせられる時も有りました。
感情の浮き沈みが激しくない。
そこでキレてはいけません。筆者は、アフリカ系の不良女子に嫌がらせでギターケースを蹴飛ばされた時、「テメエ!」とキレて、ギターを抱えたまま追っかけていき、喧嘩をしたことが有ります。そう言う人は、本来はバスカー向きでは有りません。
気が強く(気合いがあり)、メンタルが強い。
1日、数十回は嬉しい声援を聞きますが、同様に、1日数回は嫌な言葉を聞くハメになります。良いことを言われても調子に乗ることもなく、嫌な事を言われても気にしない。それと同時に、強く、たくましくないとダメです。
アナログ人間である。
バスキングはスーパー原始的な行為なので、テクノロジーに不向きです。DJ機材を持ってバスキングするのは大変なことですが、アンプ無しの楽器一個で演奏できる人は幅が広がります。実際に、性格的にもアナログな人間がバスカーには大変多いです。
慎重かつ自己防衛に長けている。
路上はある意味で戦場です。万人が行き交うため、誰がその場を通るかわかりません。スリや嫌がらせ、女性の場合はセクシャルな嫌がらせなど、全てから回避する自己防衛能力が必要です。また、演奏しながらも、チップを頂きながらも、声援を受けながらも、全ての人を疑うくらいに慎重でなければなりません。(チップを入れるふりをして、チップを盗む人もいますので。)
そこまで目立つのが好きではない。
実は、バスカーのルックスは誰も全く見ていません。通行人が足を止めるのは音。また、8割の人がフツーに目の前をスルーしていくので、目立ちたい人にとっては過酷かもしれません。
他人と程々の距離感を保つことができる。
不特定多数の通行人から声をかけられます。話し込んで仲良くなると自分のバスキング時間が奪われるだけでなく、後々付き合いが増えると面倒なことになります。・・・と、言うくらいに日々、知らない人と知り合うわけなので、一期一会くらいに止めるドライさがあったほうが、毎日バスキングするにしても楽です。*バスキングは路上です。お客さんと中途半端に人間付き合いをして気まずくなっても、バスキング中にまた会う可能性があります。お互いに気まずいですよ!
社会的交流に重きをおいていない。
真剣にバスキングをやっていたら、交友関係が疎かになりかねません。特に、チップを重視するバスカーならば、稼ぎを得るために空いた時間は全てバスキングに回すような生活リズムができてしまいます。プライベートを充実させたい人には不向き。
体力には自信がある方だ。
路上ですので。夏も冬もきついです。体力あるのみ。
どちらかと言えば欲が無い。
バスキングで満たされる欲は「長時間演奏したい欲」だけでしょう。
贅沢しなくても生きていける。
バスカーは贅沢したくてもできません。
ネット社会に対して適度な配慮を持つ事ができる。
この時代ですから、バスキング中に出会い頭でソーシャルメディアのアカウントを聞いてくる方も多いです。PRページなら良いですが、安易に友達を増やしたいからとプライベートなSNS繋がりは絶対に避けましょう。なぜなら、不特定多数の人がいる路上には、音楽に興味を持っていない人も多く、どんな人がいるかは蓋を開けないとわかりません。これは逆も同じで、バスカーが声援をくれた通行人さんに踏み込むのもご法度。こちら(バスカー側)が顔が表に出ている分、何かあった場合に危険な目に遭うのは自分であることを忘れずに。
自己管理する事ができる。
演奏時間やお金(チップ)の管理と共に、自分の本来の目的(本業や目標や次のステップなど)を明確に把握し、管理することができる人でないと、路上生活で生涯を終えてしまいます。
実は長老は、ほとんど当てはまってないんじゃ?
向いてなくても気合で出来ると言うわけかな。そう言っちゃうと身もふたもないじゃんか!
如何でしょうか。
こうしてみると、実は、バスカーって、組織に属しておらずフリーダムな人間ではあるけども、実は、組織に属して仕事がこなせるタイプが向いているかもしれません。
続いては、「向いていない人」についてチェックをしてみましょう!
バスキングに向いていない人・セルフチェック
バスキングに向いていない(かもしれない)人は、以下の特徴があります。
- 目立つ場所で演奏をして有名になりたい。
- 地位や名誉が欲しいと思う。
- どちらかと言えば完璧主義者だ。
- 沢山の人に出会いたい。
- フレンドリーで常に友達が周りにいる。
- 常に大きな仕事に挑戦してみたい。
- 目立つことや派手な行動が好き。
- どちらかと言えば飽きっぽい。
- 感情豊かで自己表現が激しい。
- 繊細で落ち込みやすい。
- 新しいことやトレンドに目がない。
- 小さなことに拘らず、大胆な行動をする。
- 注目されることが嬉しい。
- どちらかと言うと構ってちゃんだ。
- 社交時間はとても大事である。
- どちらかと言えば朝礼で倒れたりするほう。
- 自分を売り込みたいし、自己顕示欲が強い。
- 成功してお金持ちになりたい。
- SNS発信が大好きで、出会った人とはすぐにフォローし合う。
- 困ったときは誰かに助けてもらえる方だ。
上記20項目のうち、半分以上「マル」の人は、バスカーにはやや不向きかもしれません・・・
おそらく、挑戦しても、長くは続かないかもナ、と思います。
絶対向いてないよ。と言うか、きっとバスキングだけでは、そのうち物足りなくなるんじゃないでしょうか・・・
こちらのタイプは、なんとなく豪快で華やかな印象がありますよね!
「このタイプ、全然いいじゃん!」
「ミュージシャンぽくない?」
なんて思いますが、ミュージシャンの活動の中のバスキングは、また少し違ったステージング・アピールというものがあるのです。
その辺の話しはさておき、細かく見ていきましょう!
向いていない(かもしれない)人のポイントを分析しよう!
では、再び私が解説していきます。
目立つ場所で演奏をして有名になりたい。
目立つように見えて、そんなに目立たないのです、バスカーって。
地位や名誉が欲しいと思う。
残念ながら、無縁。(海外の場合はね。)
どちらかと言えば完璧主義者だ。
完璧なステージをこなそうと思っている人には不向き。バスキングではなくライブをやりましょう。調子が悪いカナ?と思う日でもガンガン演奏して気にしない人のほうがバスカー向き。
沢山の人に出会いたい。
沢山の人に日々出会うバスキングだからこそ、出会い欲が無い方が良いです。演奏にも集中できます。
フレンドリーで常に友達が周りにいる。
バスキング中の孤独に耐えられず、心が折れるかも。
常に大きな仕事に挑戦してみたい。
一刻も早くバスキングから足を洗って、他のことに挑戦してください。
目立つことや派手な行動が好き。
バスカーは街の景色にひっそり馴染む(居ても居なくてもわかんないくらいの)人のほうが、好まれます。もちろん、全身ピンクのスタイルでお目立ちバスキングをやっても構いませんが、相手に「引かれる」だけで、興味を引くことはできません。バスキングは老若男女、様々な人が行き交う場所なので、演奏もバスカーも「無難」が好まれます。自己表現したい場合は、それに適した場所で表現しましょう!
どちらかと言えば飽きっぽい。
バスキング開始20分でバスキングに飽きると思います。
感情豊かで自己表現が激しい。
道ゆく人々の善悪様々なアティチュードに出会いますので、振り回されますよ。
繊細で落ち込みやすい。
道ゆく酔っ払いに「この下手クソめ!!」と言われて「ありがとう!ゎーィ♪ヽ(*´∀`)ノ」と、笑顔で返せるくらいでなければなりません。繊細な方が毎日バスキングをやると通院必須になります。
新しいことやトレンドに目がない。
路上ではなく、Youtubeなどで音楽発信をしましょう。
小さなことに拘らず、大胆な行動をする。
実は、バスカーにとって命取りな行動が大胆な行動。そこ(バスキングのピッチ)にはあなた一人です。何かあっても誰も助けてくれませんので気を抜くような行為は禁物。慎重に行動し、周りに対してあざとすぎるくらい細かいくらいの方がベストです。ちなみに、ある意味で大胆さも重要で、筆者がバスキング中、5人のイーストヨーロピアンのスリ集団に、ファンのフリをして近づいてこられて周りを囲まれた時、「Somebody help!(誰か助けて!)」と、でかい声で叫び、人が近づいてきたときに「お前ら、ポリス呼ぶからちょっとそこで待ってろ!」と、スリ集団に言い放ったところ、奴らは逃げて行きました。そういう時に周りを巻き込める大胆さはOKかと。
注目されることが嬉しい。
注目されませんから。カフェに行って「さっき、そこの道端で演奏してたよね?」と、言われることはあります。
どちらかと言うと構ってちゃんだ。
バスキングやるにあたって天敵です。通行人然り、バスカー然り、構ってちゃんは不向き。バスキングとは、街に音楽を響かせるデュークBOXです。人間に構い、構われるための演奏ではありません。
社交時間はとても大事である。
バスキングを辞めて、安定した仕事につきましょう!
どちらかと言えば朝礼で倒れたりするほう。
何より体力が一番重要です。看板持ちのアルバイトを経験してからバスキングにチャレンジしましょう。
自分を売り込みたいし、自己顕示欲が強い。
通行人の中には、音楽を聞きたいわけではない人もいます。自分を推すのは絶対NGです。なるべく、通行人の邪魔にならないような、自己主張の強くない音楽を提供することを心がけたほうがベター。したがって、自己PRのようなバスキングになるとチップもほとんど入りません。カフェで流れるような音楽を参考にすると良いかも。
成功してお金持ちになりたい。
ロンドンのレギュラーバスカーは100人前後。年々メンツの入れ替わりも有ります。非ライセンスバスカーを合わせるとそれ以上のバスカーが常に演奏しています。年間350日以上のバスキングを何年も続けた筆者が出会ったバスカー仲間は数知れず。バスキングでお金持ちになったという声をバスカーから聞いたのは、通算5人くらい。そこから有名人になった人は、ゼロ。(*ただ、プロとして有名な人や活躍している元バスカーは沢山います。”バスカーから誰もが知っている著名人になった人”という意味です。)
SNS発信が大好きで、出会った人とはすぐにフォローし合う。
路上の出会い頭で繋がるのはやめた方が良いです。あなたの音楽を求めてやってきたライブハウスのお客さんならまた別ですが。また、出会い頭に写真撮影して気軽にアップするのもマズいです。アップされるのが嫌な人もいます。(特に海外では)許可にうるさいので、通行人さんが自分のファンになってくれた〜と思って安易に構えてると、トラブル化することもあります。筆者も遠い昔、出会い頭に連絡先を交換した人が何人かいますが、後々面倒ですよ。本当に通行人の方があなたの音楽に興味を持っているならば、逆にその場で交換しなくても大丈夫。Websiteや公式ページを持っている方であれば、あちらが勝手に探してフォローしてくれますので、自らアピールしたり繋がる必要は全くなしです。ナンパしたい場合は自己判断でどうぞ。
困ったときは誰かに助けてもらえる方だ。
人とのご縁や、人徳などで、お互い助けあってうまく仕事を進められる人がいますが、それは誇るべきことです。バスキングだけで生活するのはもったいないので、そういう人格を活かして、バスキングは程々に、大きな仕事を中心に挑戦していきましょう!バスカーは、現代では争い事もなく平和ですが、元々は縄張り争いの業種です。現在も、実際はガツガツしていますので、バスカー同士は助け合いながらも、手を組むことはありません。そして、嫌なトラブルがあったとしても、基本業務中はひとりなので、愚痴を言う相手もいません。トラブルも精神面も、すべての処理は自分一人で行います。バスキングは「たったひとり」で戦う、「ぼっち業」です。
ぼっちが平気なら、かなり気ままで面白いよ。人との出会いも多いので、深入りせずに、そこの距離感を上手く保って付き合っていけば、バスキングの常連さんも増える。あくまで、ぼっち主体で、どこまで世界を広げられるかだよね。
そういう人は、バスキングは週1〜2回くらいにして、腕慣らしのためにやればいいんだよ。あくまで、バスキングを「生業」にするためのセルフチェックだから。
まとめ
如何でしたでしょうか。
もう何年もバスキングで生活しているレギュラリーなバスカーには、そこそこ同じようなパーソナリティーを持っているところがあるんですよね。
バスキングが中心の生活になってくるので、演奏を披露しに行くというより、「お勤めに行ってきます!」というような感覚になってきます。(笑)
ひとりでコツコツが得意な人には向いていると思います。
仲間のバスカーで、向いていない(かもしれない)人は、スパッと期間限定でバスキングをやり、自分の目的や生活ペースを乱さずやっている感じです。
自身のペースに合ったバスキング・スタイルを見つけましょう!
最後までお読み頂きありがとうございました。